陣痛が来てソフロロジーの呼吸法をして、うつらうつらと居眠りしたり、そんな繰り返しでいつの間にか外は暗くなっていました。
夜も10時を過ぎていたと思います。
様子を見に来てくれた助産師さんにお腹が空いた事を話すると、
「これでお産がんばれるよ。」
とブドウ糖の点滴をもう一袋追加して入れてくれました。

一番最初にこの産婦人科に入院したとき、師長さんが、「本格的な陣痛になったらいいですね」と言っていた、この陣痛、これが本格的な陣痛なのでしょう。
この痛みと比べれば、当初の陣痛は屁の河童です。
テレビドラマのように痛みにわめいたり叫んだりすることはないにしろ、やはり痛かった。
でもこれがあたりまえだし、痛くなければむしろ困るんだと思って陣痛とお付き合いしました。
しばらくして出産の進み具合を内診してもらいました。助産師さんは一言、
「よし。行こうか」
やっと子宮口が全開大10cm位になったようです。ようやく分娩室へ移動です。
長かった。
「トイレに行っておきましょうか。」
と助産師さんに言われたので、私はよたよたと、点滴をぶらさげた棒を押しひきずりながらトイレに行こうとしました。
「まだ破水していないから、今の内診の刺激でトイレで破水するかもしれない。驚かないでね。」
いや、しかし驚きました。
「パンッ!ジャー」
便座に座った途端、お腹の中で、水が入った風船が弾けたように音がして、途端におもらししたように温かい水が勢いよく流れ出ました。
「これが破水か‥」
思ったよりも、羊水の量と流れ出る勢いがすごかった。
トイレの外に助産師さんと主人が待っていてくれました。
「破水した。パンッて、すごい音してびっくりした」
「おれには聞こえなかったぞ。」
身体の中で起こった事なので、本人には音がしたのが分かりますが、他人には聞こえないと思います。
しかし主人は聞こえなかったのが残念そうでした。
分娩室に向かう途中、また大きな陣痛が。歩くなんてできない位です。
そこでうずくまって大きくソフロロジーの呼吸法。
「ここまできたら、もう少しじゃぁぁ~」
心の中で叫びました。
LDRがある産婦人科だったら、陣痛から分娩、回復まで同じ部屋ですので、この状態で分娩室まで歩くということはないのでしょう。
残念ながらLDRはありません。
私には、かえってよかったのかもしれません。
ここで、歩いて分娩室へ行くまでが私を奮い立たせました。
「よっしゃ、やるぞぉぉ。ベビーちゃん待っててね。もうじきだよぉ」
陣痛でお腹は「これでもか」と言うくらい痛みますが、気合が入りました。
そして
「おにぎり早く食べたい」
これも奮起材料のひとつだったようです。