(出産用語)
出産後から3~4日の間に出る母乳を「初乳」と言います
初乳は黄色味の強いクリーム色しており、徐々にクリーム色、そして乳白色に変わっていきます。
初乳の成分は、脂肪分やミネラル、赤ちゃんを病原体から守るため感染抑制機能のある免疫グロブリンA(IgA)、ラクトフェリン等のタンパク質が含まれています。
急速に脳が発達する新生児期欠かせない含硫アミノ酸タウリンも特に初乳には多く含まれています。
免疫系で力を合わせて外敵を打ち負かす「生体防御機能」を果たすリンパ球をはじめとする免疫細胞群も、初乳に高濃度で含まれているのです。
母乳育児にメリットは沢山あるのですが、事情があって、母乳育児ができない場合も、初乳はあげるようにしたほうが良いのには理由があるのです。
この初乳は、たとえ微量でも、必ず赤ちゃんに与えてあげなければなりません。
初乳の重要性は科学的に次々と解明されています。
私たちの身の周りには、病原菌などのバイ菌やウイルスがうようよしています。
しかし生まれてきた赤ちゃんは、ほとんど免疫がありません。
無菌状態の産まれたばかりの赤ちゃんは、それらのバイ菌から身を守ることができません。
それにも関わらず、生まれてから半年間くらいは、赤ちゃんはほとんど病気をしません。
豊かで栄養に富んだ初乳が赤ちゃんの免疫を高めているからなのです。
母乳の製造器官である乳腺は、妊娠とともに免疫物質の製造器官ともなり、免疫物質の中心的な役割を果たす免疫グロブリンA(IgA)をつくり母乳中に分泌していきます。
免疫グロブリンA(IgA)とは、人工のミルクには含まれない「分泌型免疫グロブリンA」という物質です。
こうした免疫物質の濃度は、初乳が圧倒的に高く、免疫グロブリンA(IgA)の場合、通常の母乳の10~20倍も含まれています。
「分泌型免疫グロブリンA」(IgA)は、ウイルスや細菌の侵入を防ぐという役割で知られていますが、メリットはそれだけではありません。
この免疫グロブリンA(IgA)は、赤ちゃんの胃や腸の粘膜に広って粘膜を覆うため、アレルギーの原因となる異種たんぱく分子などの侵入を防ぐ役割もあることが分かってきています。
まだ無菌の状態の赤ちゃんは、こうした初乳に含まれる有用な免疫物質や抗菌物質を体内に取り込むことで、自分を守り、この免疫力は、ほぼ6ヵ月間効果を保ち、その間に、赤ちゃんは、自分自身の免疫力を育てていくのです。
初乳はママから赤ちゃんへの大きな贈り物です。
赤ちゃんは乳首に本能的に強く吸い付くので、痛い思いをしたり、乳首を傷つけたりすることもあります。助産施設によってはそれが理由で、十分に母乳が出るようになるまで、母乳を飲ませずに、糖水や人工乳(ミルク)を与えるところもあるようです。
しかし出産の直後から栄養を与える必要はないそうです。
それよりも母乳以外の水分を飲ませることは、生まれたばかりの未発達な赤ちゃんの腎臓に負荷をかけることになってしまうのです。
赤ちゃんは、しばらく栄養を与えられないことを前提に、十分な水分と皮下脂肪としてのカロリーを備えて生まれてくるから驚きです。
赤ちゃんは生まれながらにして「三日分のお弁当と水筒を持って生まれてくる」ようなものなので、少量の濃い初乳だけでも水分・栄養は十分なのだそうです。
母乳が出始める時期や量には個人差がありますが、おっぱいを頻繁に吸わせることにより出るようになります。
助産師さんに
「分娩後24時間以内に、7回以上赤ちゃんに吸わせると、おっぱいが出やすくなる」と教えてもらいました。